春の夢 宮本輝

父親が残した借金の取りたてから逃れるため、母親とも別々に暮らして

大学も留年している、心のささえの彼女との将来等、厳しい宿命の渦に飲み込まれそうになる、主人公の青年。

しかし、アパートの壁にいたあやまって釘をうってしまった蜥蜴との出会いから、物語が走り出しはじめる。

バイト先の上司やお客の老夫婦、金持ちの友人、心変わりする恋人、様々な人間との

関わりの中で、主人公は生きる力を見出していく。

当時、ぼくも浪人して時だったので感情移入して読んでいたので、この主人公の

人間臭い生き方に憧れたのを思い出します。

 

新装版 春の夢 (文春文庫)

新装版 春の夢 (文春文庫)